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ADL(日常生活動作)を維持したい。その意味と評価項目

介護の現場でよく使われる「ADL」という言葉をご存じでしょうか。「ADL」は介護ケアやリハビリテーションの指標として用いられますが、家族の介護や看護に携わる場合や、自分の老後の準備をしたい場合には、必ず知っておきたいキーワードです。

今回は、2つのADL 「BADL」と「IADL」の違いや評価方法、介護やリハビリテーションにおけるADLの重要性についてご紹介します。ADLの重要性を理解することが、適切な介護につながります。

BADLの意味と評価方法

ADL(=Activity of Daily Living)は日常で行われる動作のことです。ADLの評価は、介護やリハビリテーションをする際にどのようなケアをするかの指標にもなります。ADLには「BADL」と「IADL」の2種類がありますが、まずはBADLの意味と、評価方法についてご説明します。

 

BADLとは

BADL(=Basic Activity of Daily Living)とは「基本的日常生活動作」のことです。生活をする上で日常的に繰り返し行う基本的な活動のことを指します。

例えば食事や排泄、入浴、整容(洗顔、洗髪、歯磨きなど)などに当たる習慣的行動です。

 

BADLの評価方法と評価項目

BADLの評価はBarthel Index(バーセル・インデックス)、Katz Index(カッツ・インデックス)、DASC-21などで行うことができます。例えばBarthel Indexでは、「食事」・「移動」・「整容」・「排泄」などの10項目を2〜4段階で評価し、得点が高いほど自立していることを表します。

 

BADLとIADLの違い

もう一つの「IADL」とは何でしょうか?「BADL」との違いや、評価方法についてご説明します。

 

IADLとは

IADL(=Instrumental Activity of Daily Living)とは、「手段的日常生活動作」のことです。BADLは生活上欠かせない行動を指しますが、IADLはBADLよりも高次の活動を指します。つまり、BADLが食事や排泄などの基本的な生活動作であるのに対し、IADLは料理、公共交通機関の利用、服薬管理、金銭管理などといった、一段階複雑な活動になります。

 

IADLの評価方法と評価項目

IADLの評価には、Lawton(ロートン)の尺度、老研式活動能力指標、DASC-21の質問が用いられます。例えばLawtonの尺度では「電話」・「買い物」・「食事の準備」・「洗濯」などからなる8項目を3〜5段階で評価し、得点が高いほど自立度が高いことを示します。

ADLが低下してしまう原因とは?低下させない方法は?

ADLが低下するということは、自立した生活を送ることが難しくなるといえます。ではなぜADL低下が起きてしまうのでしょうか?

ADL低下の原因や予防方法について詳しくみていきましょう。

 

ADL低下の原因と、それがもたらす悪循環

ADLは身体機能・認知機能・精神面・社会環境と深く関わりがあります

老化や、生活習慣病、神経疾患などの原因で、このうちの一つでも機能が下がると、ADLの低下に繋がります。

例えば筋力や体力(身体機能)が下がると、立って歩くことが困難になり、移動ができなくなります。また、認知機能が低下すると、物事の手順などを忘れてしまい料理などの家事ができなくなったり、人とコミュニケーションを取ったりすることが難しくなります。身体機能・認知機能が低下すると、活動が低下して精神的にもふさぎこみ、社会参加も困難になります。

つまり、一つの機能の低下はさらなる他の機能の低下を招き、悪循環になってしまうのです。

 

低下を予防する方法は?

そうならないためには、どうすればよいのでしょうか?

まずは日常生活そのものを現状維持していくことが大切になります。

家事を自分でこなしたり、趣味を持って社会参加をして人とコミュニケーションを取ったりすることがADL低下の予防に繋がります。

高齢になると家に引きこもりがちになりますが、なるべく家の外に出て活動を増やすことも大切なのです。

 

ADL 向上のための看護計画、介護ケアと生活の工夫

福祉施設などでは、ADL向上のためにどのような工夫がされているのでしょうか。看護・介護・リハビリテーションでのADLの重要性や、日常生活で快適に過ごせる工夫などをご紹介します。

 

介護・看護におけるADLの重要性

介護・看護の現場で、どの程度までケアをしてあげるかを判断することはとても重要で、「過介護(介護のし過ぎ)」はADLの低下を招きます

それを防ぐには、被介護者の現状のADLをよく把握することが大切です。最近では介護・看護をする際は、被介護者の「できないこと」ではなく「できること」をよく観察して評価し、適切なケアを行うようになってきています。

 

リハビリテーション期の看護計画

リハビリテーションでも、ADLの指標が用いられます。衣服の着脱・歩行・食事など、日常生活に必要な行動ができるようになる、つまりADLの向上を目標にリハビリが行われます。

リハビリ時にできた行動「できるADL」を、日常生活でも維持できるようなリハビリ計画や、将来的にできるようになることを「目指すADL」に向けて、今「できるADL」や「しているADL」をどのように訓練していくかという視点から計画することが重要であると考えられています。

 

福祉用具の用意や介護保険サービスを受ける

自宅で生活する場合は、できるだけ現状のADLを維持するために、自分で自分のことができるように工夫してみましょう。

例えば階段や浴室、トイレなどに手すりをつけたり、フラットに改修したりして、家をバリアフリーにして生活しやすくする方法があります。

また、介護保険を使って車椅子をはじめとした福祉用品を利用するなど、生活を便利にする方法はたくさんありそうです。最近ではおしゃれで機能的な車椅子もありますので、外出するモチベーションが上がるようなアイテムがないかチェックしてみるといいでしょう。

WHILLの車椅子はシルエットが美しく、振動と衝撃が抑えられているので乗り心地も抜群です。

 

自立を支え、生活の質を保つ

医学の進歩や本人の努力だけではADLの低下を食い止めることはできません。

しかし、環境の改善や、周囲の手厚いサポートを受け、体が動くうちは、なるべく現状を維持して自立できるように努めたい。支える周囲の人は、本人のADLを適切に評価して、現状に合ったケアをしてあげることが大切です。そうすることでADLの維持はもちろんのこと、QOL(生活の質)まで考えられた、介護する人もされる人も満足できる質の高い介護が実現するのではないでしょうか?